不妊鍼灸

   

専門クリニックとの併用について

鍼灸と併用で着床率の向上が報告されている

 当院に訪れる患者様の来院目的の一つとして、体外受精や顕微授精で育った胚を移植する際の着床率向上があります。【移植当日に鍼灸をおこなうと着床率が向上する】という研究が、世界の様々な国から報告されています。専門クリニックにて不妊治療に取り組まれている患者様の間でも、「鍼灸も併用した方がいい」といった認識が浸透してきている様です。当院の方針としましても、移植当日の術前か術後での鍼灸と着床日に合わせた鍼灸を勧めさせて頂いております。

着床するだけではダメ
 移植に合わせた体づくりを行っても、胚そのものの生命力が弱ければ妊娠、出産までたどり着くことが難しいと考えています。生命力の弱い胚で着床に至ったとしても、流産してしまう可能性が高くなってしまうのです。これは、しっかりと受け止めなくてはいけない事実なのです。当院では、卵質のケアが妊娠、そして出産に至るために最も重要であると位置づけしております。継続的な鍼灸施術で卵子の質の改善も期待できると考えております。

卵子は採卵される150日以上前から成長している
採卵される卵子は150日以上前から成長しています。はじめは原始卵胞という小さな小さな卵です。その小さな卵が150日以上の時間をかけ少しずつ育って行きます。そして準備が整った状態になったら排卵に向けて一気に大きくなるのです。卵は排卵や採卵される150日(約5ヶ月)以上前からの卵巣環境により、卵子の質が変化するのではないかと考えられています。

採卵前からの定期的な鍼灸は妊娠率が向上する。
当院は独自に実績を集積しており、2022年度のデータを紹介させて頂きます。【鍼灸施術を2周期以上継続後に採取した卵子を使用し、獲得した胚】と【当院来院前に採取した卵子を使用し獲得した胚】の移植一回あたりの妊娠率を比較しました。結果は35〜39歳の方の妊娠率が鍼灸有りは70%・鍼灸無しは41%となりました。定期的に鍼灸を行なった後に採卵した卵を使用し移植した胚の方が妊娠率が高くなるという結果が出ております。

胚移植の前後に鍼をした群としない群の妊娠率を比較
 2002年の米国生殖医療学会でドイツと中国の研究チームの報告によると。体外受精の際に受精卵を子宮に戻す前後に鍼治療を行った群とそうでない群の妊娠率を160人で比較した結果。鍼治療無しの群の妊娠率が26.3%だったのに対し、鍼治療有りの軍は42.5%だった。 体外受精の妊娠率は高くて3割程度とされる中、鍼治療グループの妊娠率が通常治療の妊娠率を大きく上回ったことが報告された。鍼治療は妊娠率向上に役立つ手法になる可能性があると注目を集めています。(ドイツと中国の研究チームの報告)