判定日に陽性がでなくても

はじめに

自然妊娠や人工授精、特に体外受精の治療において妊娠判定日を迎えることは、「不安」と「恐怖」とほんの少しの「期待」が入り混じった、とてももどかしいイベントです。例えるならば、受験の合格発表に近いかもしれません。このコラムに辿り着いたあなたは、判定日を不安に思っている方や、判定日にとっても辛い経験をされた方かもしれませんね。このコラムでは、妊娠判定日までの気持ちを少しでも楽にして頂いたり、辛い判定日を迎えてしまった方が、また前向きに妊活に励めるようになるコンテンツとして作成致しました。お時間がございましたら、お付き合い下さいませ。

不安と期待


自然妊娠を目指していて、しっかりタイミングを取れた周期や、初めての人工授精や体外受精は、妊娠への期待で胸が一杯です。期待通りにめでたくご懐妊できる場合もあります。しかし、その期待をあざ笑うかの様に裏切られ「陰性判定」を突き付けられるのも不妊治療の怖さです。妊活に励まれている方は、それを一番理解していらっしゃると思います。期待してしまうけど、「また生理が来てしまったら…」「また陰性判定だったら…」といった不安が常に付きまとっていると思います。
食事を気をつけて、運動もして、サプリメントもしっかり飲んで、お金をかけて、時間をかけて…出来ることは色々やったのに結果が出ない。正直、やったらやった分だけ結果が出る試験や勉強の方がまだましです。妊活は「努力=目標達成」の方程式が思う様に成立しないのです。
なぜ努力をたくさんしても、なかなか妊娠出来ないのでしょう。これは、人間の命の尊さにあると思っています。人ひとりの命を授かるという事は、そう容易くなく、とても運命的で奇跡的なことなのです。ですから、焦ってはいけません。

妊娠超初期の兆候は気にしないで


ふと隣を見ると、「着床出血がありました」、「お腹に重い鈍痛がありました」、「凄く熱くてだるいです」など、妊娠超初期症状を訴えておられる方のブログやSNSを見かけるかもしれません。しかし妊娠超初期症状がはっきりと出るケースはとっても珍しいことなのです。妊娠超初期症状のパターンはいろいろあります。「眠気・疲れパターン」や「生理前症状パターン」、そして「無症状パターン」です。そのパターンの中で「無症状パターン」が大半をしめるのです。私達の鍼灸院へご来院されて、妊娠判定まで全く兆候がなかったのに、陽性判定が出てとてもびっくりしたといった意見を良く耳にします。逆に「出血があった」、「熱い気がする」、「眠い気がする」といった症状があるにもかかわらず、陰性判定だったなどのケースもしばしばまの当たりにしています。つまり妊娠超初期症状はとっても当てにならないのです。少しの体の変化で右往左往をしていては、気持ちが疲れてしまうだけかもしれません。あまり意識せずに、リラックスして日常生活をお過ごしになる事が妊娠への近道だと思います。

陰性判定はママに近づく大切な一歩


何度も続く陰性判定を経験しながら、ようやくママになれた方は沢山いらっしゃいます。不妊治療を通して、陰性判定が続いてしまうことは珍しい事ではないのです。自分だけが取り残されている様な感じを、強く受けているかもしれません。年齢への焦りを感じているかもしれません。経済的な不安を感じているかもしれません。とっても辛い不妊治療ですが、意外と近くに、ゴールが来ているかもしれないのです。
貴方が妊活に費やした、「努力」や「経験」は決して無駄にはなりません。必ず、その後の人生や子育ての糧になるはずです。現実に目を逸らしたくなる事もあるかもしれませんが、ママになる大切な一歩だと信じて、進んで行きましょう。

肩の力を抜いて


肩の力を抜いて、リラックスしましょう。妊娠判定は「陽性判定」でも「陰性判定」でも、結果は誰にも分かりませんし、誰にも変えることはできません。どんな名医にだって分からない事なのです。ですから、肩肘を張って、力んでいても仕方がない事だと思います。肩の力を抜いてお腹から大きく深呼吸をしてみましょう。妊活で頑張っている間に「怖い」「不安」「辛い」など負の感情を背追い込んでいるかもしれません。肩の力を抜いてみると、背負っている負の感情がほぐれ、とっても楽になると思います。少しでも、楽に楽に判定日を迎えてみてはいかがでしょうか。

おわりに

私が鍼灸院を開業して、沢山の不妊治療(ART)をされている患者様と関わらせて頂きました。患者様それぞれにエピソードがあり、出来る限りのサポートをしてきたつもりです。ご懐妊などの嬉しいエピソードがある反面、たくさんの「辛い想い」にも携わらせて頂きました。「この周期で妊活を辞めます。」「今回で最後の凍結胚です。」「持病でもう妊活を続けられません。」「不妊治療に数千万円使いました。」「3度目の流産です。」など、どれも涙ぐましいものばかりです。その中で「怖い」「不安」「辛い」などの、お辛い感情で、判定日を迎えられた方も少なくないのではないかと察しています。私達は鍼灸師として、ご懐妊などの嬉しい事だけに目を向けるのではなく、「辛い想い」にもフォーカスし、サポートをしていく必要があるのだと感じています。負の感情に負けてしまいそうな患者様の支えとなり、肩の荷を軽くしてあげる事も私たちの使命だと思っております。

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