はじめに
現在、不妊の原因が男性側にある割合は約4割〜5割にのぼるといわれています。男性側の不妊の原因として、「造精機能障害」「精路通過障害」「副性器機能異常」「性機能障害」があります。その中でも82.4%が「造精機能障害」(精子を造れなくなる)です。今回は身近な薬剤による、造精機能への影響について解説します。
男性不妊って意外と多いんだね!!身近なクスリで不妊になることがあるのかにゃ??
不妊全体の4割〜5割は男性側の原因なのですが…危機感を持って治療に取り組んでいる男性はとても少ない印象です。お家にあるようなクスリでも男性不妊に繋がるリスクがあるので、紹介いたしますね。
育毛剤
男性ホルモンは脱毛の原因となる物質です。育毛剤は、その男性ホルモンの活性化を抑えることによって、脱毛を防ぎ、発育を促進するものです。しかし、男性ホルモンは精子形成に重要な役割を持っており、男性ホルモンの活性化がブロックされることで精子形成に悪影響を与えると考えられています。
イブプロフェン
バ○ファリンやイ○といった日本にも広く流通している消炎鎮痛に用いられる物質です。精子の形成に必要なテストステロンの合成に影響を及ぼすホルモンの分泌量増加が確認されてます。このホルモンの濃度が高すぎると、テストステロンが合成される量が減少する危険性があり、結果として不妊症につながる恐れがあります。
抗うつ剤
阻害剤が精子特性を変化させ、受精率に影響を与える可能性が報告されています。
痛風(コルヒチン)
父親が本剤を服用した場合、その配偶者より、ダウン症候群及びその他の先天異常児が出生する可能性があるとの報告があります。
C型肝炎治療薬
一番の危険性は男性が服用した薬が精液を介して女性側へ移行する場合です。C型慢性肝炎治療薬の中には、精液を介して女性に移行するため、パートナーが妊婦の場合、コンドームの使用が指導されている薬があります。この薬は動物実験で胎児や精子に影響があることが報告されており、避妊が義務付けられています。
a型ボツリヌス毒素
精子形成に影響があるため、投与中及び最終投与後少なくとも3ヵ月は避妊します。
抗ウイルス薬
特にリバビリン(レベトール)やガンシクロビル(デノシン)、エトレチナート(チガソン)など精子形成能の障害や変異原性から男性の避妊について記載されています。薬の使用中に作られた精子が数カ月の間蓄積されているので、薬の服用期間中だけでなく、服用中止後3~6カ月間くらい避妊を続ける必要があります。
旦那が薄毛で、育毛剤を考えていたから危なかったにゃ!!
男性ホルモンに影響があるので、妊活を考慮して使い始める時期を考えた方が良さそうですね!!
まとめ
いかがでしたでしょうか。身近な薬品にも不妊に繋がる危険性があることをおわかりいただけましたか?特に、育毛剤やイブプロフェンといった薬剤は、とても身近な存在ですよね。現在、男性不妊は不妊症全体の約4割〜5割の登るといわれています。不妊の原因は女性といった考え方は捨てて、男性自身も自覚を持ちしっかりと妊活に励みましょう!!