はじめに
国立感染症研究所によると、2018年の1~51週の風疹患者累積報告数は2,806人となりました。2008年の全数届出開始以降では、2018年は2013年に次いで2番目に多く、2017年1年間(93人)の30倍となった。ご存知の通り、風疹は胎児に多大な影響を及ぼします。今回は風疹に対する基礎知識をお話しさせて頂きます。
ふうしん?そんなに危険なのかにゃ?
風疹は妊婦さんが、絶対に気をつけなくてはいけない感染症の一つです!今回は、感染経路や症状、胎児への影響を見ていきましょう!
風疹とは?
風疹とは、風疹ウイルスの感染で起こる感染症です。
発熱や発疹などが主な症状ですが、症状が出ないこともあり、気づかないうちに感染を広げてしまうケースもあるので注意が必要です。最も注意したいのは、妊娠初期に風疹ウイルスに感染することによって、おなかの赤ちゃんに起こる悪影響です。
どうやって感染する?
風疹ウイルスは感染力が強く、感染した人のせきやくしゃみ、会話などで、ウイルスを含んだ飛まつが飛び散り、これを鼻や口から吸い込むことなどで感染します。つまり飛沫感染です。
どんな症状?
風疹を発症すると、主な症状として発疹が現れます。小さく赤い発疹が全身に広がっていきます。そのほか、38℃前後の発熱、耳や首の後ろのリンパ節の腫れ、目の充血、軽いせきなどの症状があります。すべてがそろわないことも多いです。大人では関節痛が現れることも多く、また、大人がかかると、高熱が出たり、発疹が長引いたりするなど、重症化することもあります。
妊娠へのリスク
風疹で最も注意したいのが、妊婦への感染です。妊娠20週ごろまでに妊婦が風疹ウイルスに感染すると胎児にも感染して、生まれてきた赤ちゃんが先天性風疹症候群という病気になる可能性があります。
妊娠初期に感染するほど、障害が起こる可能性が高まるとされています。先天性風疹症候群になると、難聴、心臓の病気、白内障・緑内障・網膜症といった目や耳、心臓の病気、低出生体重、精神・運動発達の遅れ、発育の遅れ、血小板減少性紫斑(しはん)病、肝脾腫(かんぴしゅ)(肝臓や脾臓が腫れること)などが現れます。
まとめ
風疹は、妊娠がはっきりしない妊娠初期から胎児への影響が大きいため、先天性風疹症候群を防ぐためには、男性を含めて多くの人が予防接種を受けて風疹の流行を起こさないことが重要です。妊娠中はワクチン接種を受けることができないため、女性は妊娠前に2回,予防接種を受けておくと安心でしょう。
参考文献
国立感染症研究所
Edit : Suzuki
Write : Suzuki,Kurohara