高プロラクチン血症とは?
プロラクチンとは、脳の下垂体で分泌されるホルモンで、出産後に乳腺を発達させ乳汁(母乳)の産生を促進する働きのあるホルモンです。
高プロラクチン血症とは、出産後でないのに何らかの原因でプロラクチン濃度が高くなってしまうことです。
不妊症と高プロラクチン血症
プロラクチン濃度が高くなると、排卵や月経が抑えられてしまいます。出産をしていないのに、体は産後の状態になり、排卵の抑制や月経の遅れ、胸の張り、乳汁の分泌などの症状が起こります。
どういう検査でわかる
血液中のプロラクチン値を調べることで判断します。プロラクチンの数値は一定では無いので、何度か検査し、判断されます。
原因は?
薬剤性
抗精神薬・胃腸薬・降圧薬・抗潰瘍剤・ホルモン剤
上記の薬を服用することにより、ホルモンバランスが乱れ、高プロラクチン血症になる場合があります。治療方法として、原因となる薬をやめるか、それに代わる薬剤へ変更するなどの対応が必要になります。
生理的・機能的
睡眠・ストレス・食事・運動
プロラクチンは生活環境の乱れにより、影響を受けると言われています。生活週間の見直しが必要かもしれません。
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症により、甲状腺に対してホルモンの分泌を指示する脳内ホルモンであるTRHが増え、プロラクチンの分泌促進に関わる場合があります。
脳の下垂体腫瘍
ホルモンを産生する下垂体にできる腫瘍です。別名プロラクチノーマとも言い、脳の下垂体にプロラクチンを作る腫瘍ができ、プロラクチンが大量に産生されることがあります。
まとめ
高プロラクチン血症について、少しお分かり頂けましたでしょうか。なかなか子宝に恵まれず、調べてみたらプロラクチン値が高かったので、薬を飲んだら子供を授かれた!!という方もしばしば見受けられます。自覚症状に乏しく気づきにくい不妊の要因ですので、月経の遅れや胸の張り、乳汁の分泌など少しでもおかしいと感じたら、早めにクリニックを受診してみましょう。