はじめに
卵管とは、子宮の左右にある細い管のことを指し、卵巣と子宮を繋いでいます。
長さが10センチで内径が1ミリ程度と、とても細い形状です。卵管は排卵した卵子を、ヒダで取り込み、子宮から進入した精子と卵子が受精する場として重要な役割を担っています。
妊娠には欠かせない卵管ですが、詰まりや狭窄の影響を受けやすいので、これらは不妊の大きな要因となります。仮に、詰まりを避けて精子が卵管に侵入でき、精子と卵子が出会って受精することができたとしても、受精した卵子が子宮まで卵管を通って運ばれていく過程で何らかの問題が生じれば、やはり着床することはできません。今回は、不妊検査の1つである、通水・通気検査について実際の患者様の声を交え解説いたします。
通水・通気の基礎知識
- 卵管に詰まりがないか、正常に通っているかどうかを調べる検査です。
- 月経終了後から排卵までの、時期(6〜9日目ごろ、生理の出血が終わった直後)に実施します。
- 卵管に溶液(生理食塩水)や炭酸ガスを通して卵管の通りを確認します。
- 子宮や卵管の形、卵管閉塞がどの部分で起こっているのかは、子宮卵管造影検査ほど詳しくはわかりません。
通水検査と通気検査のちがいとは??
通水検査
子宮内に生理食塩水を注入し、超音波検査で子宮内、腹腔内を観察します。 放射線や造影剤を使用しない検査で、ヨード剤などのアレルギーがある方でも行えます。通常3分〜5分位の時間で終えます。
通気検査
炭酸ガスを使って卵管の通りを確認します。炭酸ガスの圧力の変化が、卵管通気曲線で表示されます。また、ガスの注入時に医師は聴診器を患者様の左右の下腹部に当て、ガスが卵管を通過する音を調べます。
副作用はあるの??
感染:注入された生理食塩水や炭酸ガスが、子宮、卵管、腹腔へと通過するのに伴って細菌が運ばれ、感染を起こす可能性があります。検査直前に外陰や膣内を消毒し、検査後抗生剤を使用することで予防します。
痛みはあるの!?実際の声を聞いてみた!!
“イタイイタイ”ってネットの書き込みをみて怖かったのだけど、実際には痛いというよりも「重苦しい」とか「きゅうくつ」って感じだったにゃ!!詰まりも酷くは無かったから、それも影響しているのかな。
私は下腹部からみぞおちくらいまでが、押し広げられる様に感じだったわ。思ったよりも、平気だったわね!
私は詰まりがあったようで、とっても痛かったわ。これを、繰り返すと思うと気が重くなるわ。出来ればもう、やりたくないなぁ。
※上記のコメントは、当院の患者様とのカウンセリングに基づいた通水検査の内容です。
まとめ
現在卵管通水検査は、卵管の治療を目的とする卵管通水法として行う場合が多くなっています。検査後は詰まりが解消され、数ヶ月はゴールデン期間となり妊娠しやすい状態にもなります。誰しも必ずそうなるわけではありませんが、怖がらず、リラックスして受けていただけたら良いと思います。