はじめに
近年メタボリックシンドロームなど、『肥満』に対する意識は『痩せ過ぎ』よりも強い傾向にあります。しかし、現代の20代女性の21.7%は『痩せ過ぎ』という統計があります。妊活をする場合、『痩せ過ぎ』ではどのようなトラブルが考えられるのでしょうか。今回は『痩せ過ぎ』た時に、体に与える悪影響をお話ししたいと思います。
痩せたい人は手を挙げてください!!
はーーーーい!!
はーーーーい!!
やっぱり皆さん痩せたいですよね!!綺麗なスタイルを維持したいという気持ちはとても良くわかります!!でも、実は『痩せ過ぎ』は妊活に良くないのです!!
にゃんだって!?!?!?
痩せ過ぎとは??
痩せ過ぎとはBMIが18.5未満の事をいいます。BMIの計算や、理想の妊活体重の計算などは、「妊娠適正BMIを知とは??」をご覧下さい。
痩せ過ぎは、卵巣機能不全や卵子の質の低下を招く!?
痩せ過ぎは、卵巣機能不全や卵子の質の低下を招く危険があります。これは何故かというと、人間の体は”生命の維持”を、最優先としているからです。痩せていることは、”エネルギーが足りない“とも言い換えられます。痩せていることで、大半のエネルギーは生命維持に使われてしまい、生殖能力に回す余裕がなくなってしまうのです。エネルギーが不足してしまうと、脳の視床下部から下垂体を返して、卵巣に卵子が育つための卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、この2つのホルモン分泌が低下する場合があります。低下することにより排卵した卵子の質が低下してしまう可能性があるのです。
さらに、2つのホルモンが出ないということは、卵巣から分泌され、子宮内膜を厚くするホルモンである、エストロゲンやプロゲステロンも放出されにくくなることになります。
痩せ過ぎると、卵の質が下がったり、内膜が薄くなったりするってことは、妊娠も難しくなるのかにゃ??
その通りです!!無理に痩せ過ぎてしまうと、生殖にとって必要なエネルギーが足りなくなってしまい、卵が育たなくなってしまうことがあるのです。さらには、無排卵になったり、内膜が育たなかったりと、妊娠が遠のく一方なのです!!
出産後、乳児にも影響も!?
仮に妊娠し出産したとしても、低出生体重児が生まれる確率が高くなります。(※.1)諸説によると、妊娠中の母親の栄養状態が良くないことが大きな原因とされています。さらに、子供はその影響を一生涯受け続けてしまい、将来、心疾患に繋がる可能性が高い、とまで言われているのです。
※1.DOHaD(生活習慣病胎児期発祥起源説)
まとめ
『痩せ過ぎ』ということは、妊娠するために必要な準備が、まだ不十分ということです。「無理なダイエット」や「胃腸が弱い」など原因は様々です。現在の食生活や運動習慣を見つめ直し、出来るところからトライしてみてはいかがでしょうか。
参考文献
データから考える 不妊症・不育症治療−希望に応える専門外来の診療指針
Edit : Suzuki
Write : Suzuki,Kurohara