はじめに
ようやくたどり着いた移植日当日。採卵、受精、凍結とスムーズに事が運ばずに、ようやくの思いで移植日を迎える方もたくさんいらっしゃいます。そんな方達は必ず「移植後はどのように過ごしたら良いのか?」という疑問にぶつかります。今回は移植後の過ごし方とやってはいけない事、旦那様へのお願い、について解説いたします。
移植後の過ごし方の結論
Answer:普段通りでOK!!
新鮮胚移植でも、凍結胚移植でも普段通りの生活を心がけて下さい。移植直後だからといって、慎重になり過ぎたり、特別な事に挑戦しても、残念ながら陽性判定に優位差はありません。かえってストレスになってしまう事があります。普段と変わらない生活を送る事が、心と体調を良い状態に保ち、ストレスの予防となります。
トイレにいったら、受精卵が出てきちゃったりしないのかにゃ??不安だにゃ!!
確かに!!よく、寝てた方が良いとか、逆立ちした方が良いとか聞くものね!!実際どうなのかしら??
確かによくある話ですね!でも、子宮の中は柔らかいスポンジの様な構造になっていて、受精卵を移植したらそれを包み込むようになっているのです。ですから、簡単に出て来たりはしませんよ。逆立ちしても、奥に行くとは考え難いですね!!
にゃるほど!!
やってはいけない事
過剰な加温
「温めると血流が良くなり、体に良いのでは?」という考えから、「お腹や下腹部に長時間カイロを貼る」や「サウナ」「酵素浴」などを行う健康法があります。しかし、卵子や精子、受精卵は熱に弱くデリケートですから、移植後は避けた方良いと考えています。実際に、不妊専門クリニックの先生から「お腹にカイロは貼らないで下さいね」と指導を受けた患者様もいらっしゃいました。
打撲や捻挫
東洋医学では打撲や捻挫をすると流産につながると考えられています。母体と胎児を繋ぎ、生命力を絶えず送り届ける経路を「衝脈」と言います。打撲や捻挫は、衝脈を傷つけ消耗することにより、胎児に影響を及ぼし流産に繋がると考えられているのです。よって接触の多いコンタクトスポーツ(バスケやフットサルなど)は避けた方が良いと考えています。
旦那様へのお願い
採卵→受精→凍結→移植→陽性判定と進んだからといって、まだまだ安心できません。それは陽性判定→化学流産に至るという確率が、少なく無いからです。つまり安定期を迎えるまでは、「また採卵からスタートする可能性がある」という事を肝に命じておく必要があるのです。これは奥様にとって物凄く負担になる事なのです。ですから、奥様が安定期を迎えるまでは旦那様も体調をベストな状態に保ち、いつ採精しても万全な体をつくっておく事が大事なのです。
まとめ
移植後は普段通りの生活を心がけましょう!!
サウナや長時間のカイロなど、過剰に加温しないようにしましょう!!
接触の多いスポーツは避けましょう!!
旦那様も安定期に入るまでは、体に気を使いましょう!!
いかがでしたでしょうか。移植後の過ごし方についておわかり頂けましたでしょうか。当院でも沢山の移植周期に寄り添っていますが、「移植直後からサーフィンをしても成功する」事もあれば、「万全で挑んでも上手くいかなかった」という事もあります。移植前後の鍼灸で着床率が向上したとの報告は世界中で存在しています。これは沢山ある健康法の中でとても希少な事なのではないでしょうか。私たちは、少しでもこれから母になる方達の力になれるよう、精一杯のフォローをしております。